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あそびにいくヨ! (

作者/神野オキナ  イラスト/放電映像

MF文庫J

 





『あそびにいくヨ!』シリーズ・レビュー
 (

『あそびにいくヨ!(1)』 (
) →bk1/→Amazon
『あそびにいくヨ!2 作戦名『うにゃーくん』(2)』 (
) →bk1/→Amazon
『あそびにいくヨ!3 たのしいねこのつかいかた(3)』 (
中中) →bk1/→Amazon
『あそびにいくヨ!4 やめてとめてのうちゅうせん(4)』 (
) →bk1/→Amazon






『あそびにいくヨ!』シリーズ・レビュー 神野オキナ (中下)
MF文庫J  イラスト/放電映像
writer:千秋

 

 猫耳宇宙人・エリスが主人公・騎央の家に現われて、そして地球人、犬型宇宙人と戦う話がメインのシリーズ。エリスが騎央に接近したり、他の女性キャラクターも騎央にアッタクしたりと、ラブコメ要素も多々あります。
 私がこのシリーズに対する感想は、1巻と3巻のところにだいたい書いてあるので、そちらを見てもらってもいいです。とりあえず簡単に要約して、このシリーズに対する感想を伝えます。

 まず、このシリーズは『萌え小説』です。ゆえにこの小説は萌えがわかる人じゃないとおもしろくありません。だから「俺は萌えなんてものに興味ない」という方は買わないほうがいいです。
 そう。この作品は『萌え小説』なのです。だけれどもこの作品のメインの軸には「犬型宇宙人と猫型宇宙人の『戦い』」があります。そして作者は1巻のあとがきに、「ご近所でお話を終わらせる」「ややこしい、あるいは壮大な設定とストーリーは使わない」「キャラクター同士にシリアスな人間関係を持ち込まない」「悪意ある人物を出さない」「人は絶対に殺さない」ということを信条にこのシリーズを書いていく、と記してます。『萌え小説』なのに『戦い』の話がメインで、ついでに上のような信条を掲げている。つまりは中途半端なんです。『萌え小説』ならキャラクターの関係だけを扱うべきだし、『戦い』のおはなしなら上のような信条を掲げていてはおもしろくありません。

 2巻からは『萌え小説』&『ラブコメ』の方に比重が置かれはじめて、中途半端加減は減りましたが、まだまだ中途半端です。ですから私は、キャラ一本で作る事を強く望むと、あえて主張しておきます。
 またその『萌え小説』と『ラブコメ』の部分についてですが、ここに作者の意図と読者の要望のすれ違いが生じる可能性を3巻の感想のところで指摘しました。つまり私が思うに、作者は「萌え」というものを突き詰めていった『先進的な萌えラブコメ』をやりたいと思っており、読者は嬉し恥ずかしな『王道ラブコメ』を求めているのではないか、ということです。そう思う理由は3巻の感想のところに記しておきました。とにかく、「作者は『先進的な萌えラブコメ』をやりたがっている作品なんだな」と認識して、この作品は読んだ方がいいです。

 あと、この作品の構成として、視点切り替えが多用されてます。1ページに1回ぐらい。これは結構疲れます。腰座って書けよ!って感じです。ホント読んでいる方は疲れる……。

 そして、イラストについて。……素晴らしい!このイラストがあるおかげでこの作品の萌え度は1.5倍程度アップしているのではないでしょうか。個人的には駒都え〜じ並の萌えイラストだと思ってます。(「駒都え〜じ自体どうなの?」とか、そういうツッコミはナシ

 総括としては「萌え」が分かる人なら買っても損なし、だけど「萌え」が分からない人は買わない方がいいですよ、ということだろうか。





『あそびにいくヨ!(1)』 神野オキナ (下上)
MF文庫J  イラスト/放電映像
writer:千秋   bk1/→Amazon

オンライン書店bk1:あそびにいくヨ!(MF文庫J)

 

 沖縄に住む高校生、嘉和騎央が部屋で目を覚ますと、隣で見慣れぬ少女が寝息を立てていた。おまけに猫耳尻尾付き。呆然とする騎央の前に幼馴染みの真奈美が朝食を持って現れ、「で、昨日一緒に帰ってきた女の子って、どこ?紹介してよ!」と、言葉の出刃包丁を振りかざした。痴話喧嘩から変態罵倒大会へ突入したとき、折り悪く融通のきかない美人教師糸嘉州マキが乱入、ますます騎央は苦しい立場に立たされる。でも…エリスと名乗った猫耳少女は、宇宙人だったのだ。そしてそんな宇宙人との接触を良しとしない秘密結社やCIA、日本政府の諜報機関がのんきなエリスを襲う!「やめろったら!エリスが何をしたっていうんだ!!」

「あそびにいくよ(Us It goes to play in Your house)」

 ??? (P.13)

 ネコ耳&しっぽ付き宇宙人エリスが主人公・騎央の家にやってきた。そして、宇宙人エリスは秘密結社やCIA、日本政府の諜報機関に追われる。そんな話。
 でもこのおはなしの魅力は、宇宙人と地球の機関の対立ではなくて、エリスと主人公・騎央の関係に尽きます。時折見せるエリスの強烈な発言ですとか、ですとか。この1巻目ではまだまだそういうシーンは少なめですが、次巻からはもっと増えていくことでしょう。

 私はあまり萌えというものがわからないのですが、この作品が萌え小説であることはわかります。というかネコ耳&しっぽ付き宇宙人という時点で、萌える人は萌えまくるでしょう。要所要所の台詞「ンマーイ!」とかにも萌えポイントはあるんじゃないでしょうか?私にはよくわかりませんが。
 まぁ萌えがわからない、とか何とか言っていてもはじまりませんから、個人的なツボを紹介しときます。それはイラストです。もうこれはライトノベルにしかありえない要素です。というか放電映像さんのイラストはマジツボです。もうジャケ買いでOKです。認めます。

 あぁ、まだイラストしか褒めてないや……。というかですね、少しぶっちゃけてしまいますと。この小説は萌えがわかる人じゃないとおもしろくありません。だから「俺は萌えなんてものに興味ない」という方は買わないほうが吉です。うわっ!ぶっちゃけちゃった。
 ぶっちゃけちゃっただけではよくわからないと思うので、作品の内容について少し言及してみます。厳しめに。

 まず、宇宙人と地球人との『戦い』の話がおもしろくない。この作品の信条として、「ご近所でお話を終わらせる」「ややこしい、あるいは壮大な設定とストーリーは使わない」「キャラクター同士にシリアスな人間関係を持ち込まない」「悪意ある人物を出さない」「人は絶対に殺さない」、ということを作者自ら書いております。しかし、それではおもしろくありません。「ご近所話」で終わらせたり、「壮大な設定」を使わなかったり、「シリアスな人間関係」が無ければ、こういう『戦い』系の話は成り立ちません。もちろんこのような信条を掲げて、おもしろい作品ができた例はあります(例えば『赤城山卓球場に歌声は響く』など。ちょっと違うか?。ですがこの作品では見事に失敗していると思います。だから、宇宙人としての側面を持ち出した『戦い』系のお話はあまり魅力がありません。

 しかし、このシリーズには魅力的なキャラクターがたくさんいます。今回はエリス中心の話でしたが、今後は他のキャラクターにも焦点を当てていき、主人公と女性キャラクターのお話を軸としていけば十分魅力的な作品になっていくと思います。

 とりあえず今後に期待な作品です。





『あそびにいくヨ!2 作戦名『うにゃーくん』(2)』 神野オキナ (中下)
MF文庫J イラスト/放電映像
writer:千秋   bk1/→Amazon

オンライン書店bk1:あそびにいくヨ! 2 作戦名『うにゃーくん』(MF文庫J)

 

 「うにゃー!」「うにゃー!!」5万人をこえる大歓声が、さいたまスーパーアリーナを大きく揺り動かしていた頃、猫耳宇宙人のエリスたちは、沖縄にある居候先の嘉和騎央の家を『キャーティア大使館(臨時)』とし、日本政府と外交交渉を始めていた。そんなある日、衛星軌道上で待機している母船の学術研究班から、地球の文化水準その他の調査を依頼されたエリスは、騎央と、先日の騒ぎで失職したアオイ、就職をフイにした真奈美の二人を護衛に、一路東京へ出発した。だが、キャーティアと敵対している犬の人がこのチャンスを逃しはしなかった。おまけにエリスの発情期も迫る!どうする騎央!?大人気シリーズ第二弾!!

「『では次に不可能な命令をしてください』……か」
 アオイはちょっと考え、
「『マツケンサンバU』を歌いながら踊りなさい」

 アオイ (P.70)

 良かったです。1巻の感想で書いた『あそびにいくヨ!』の最良の形を、この2巻で見事に描いてます。でも、『戦い』のおはなしがおもしろくないので、評価は「中下」としておきます。

 調査のため主人公・騎央と猫耳宇宙人・エリスの一行は、東京に出発する。そしてその行く手には、猫耳をこよなく信仰する集団『子猫の足裏』、そして犬の人が待ち受けていた。
 というような感じが今回の本筋なんですが、やっぱりおもしろくない。どうしておもしろくないかは、一巻の感想に書いてあるので二回も書きません。ただ、個人的にはキャラ一本で作る事を強く望みます、ともう一回主張しておきます。

 まぁ本筋のほうは置いといて、主人公・騎央を取り巻くキャラクターの関係について。今回から主人公・騎央取りに、アオイが参戦。だんだん王道ラブコメのストーリー展開になってきました。いい感じです。う〜んだけども、『戦い』の話にスペースを取られて、ラブコメの部分が活かしきれてない感じがします。やっぱりここがなあ〜……。あとエリス萌えなシーンがかなり多くなってきているので、そこら辺の期待は裏切られません。とにかく、ラブコメテイスト&萌えがアップしてきて、次巻に期待というところでしょうか。





『あそびにいくヨ!3 たのしいねこのつかいかた(3)』 神野オキナ (中中)
MF文庫J イラスト/放電映像
writer:千秋   bk1/→Amazon

オンライン書店bk1:あそびにいくヨ! 3 たのしいねこのつかいかた(MF文庫J)

 

 「大っ嫌いよあなたなんか、大きな胸で、くびれた腰で、宇宙人で、猫耳で尻尾がついてて…いつも…騎央君と一緒にいて…」「だったら、ふたりして騎央さんの『愛人』になりましょう!」夏休み最後の土日、映像部部員の騎央、部長に勧誘され入ったエリス、対抗上入部したアオイ、真奈美、アントニアは海辺の合宿に参加した。アオイはエリスへ宣戦布告をするが、エリスは『外交交渉』と解釈、逆に説得されかかってしまう。大丈夫か!アオイ。おまけに深夜、謎の怪物が合宿テントを襲う!立ち上がる『うなーたん』!ノリノリのほのぼのファーストコンタクトストーリー第三弾!!

「…………部長、始業式、出ていなかったんですか?」
「あったり前だ、あんなかったるい儀式に付き合うために授業料払ってるんじゃない」
 腕組みして部長は言い切った。
「オレが高校に行っているのは、まず最初に楽しい思い出のため、次に学歴、もしくは大学へ行くための学力が欲しいからであって、儀式に参加するためにではないからな」
「はぁ」
 三年生の台詞とは思えない言葉に、騎央はただ頷くしかない。
「で、何やっていたんです」
「ん、きまっておろーが、部室で中国問題の討議だ」
「麻雀ですね」
「ま、そうとも言うな」

 騎央/部長 (P.50)

 口絵に悩殺されました。(ぇ

 さてさて、私の書評には初めに作品紹介と本文からの抜き出しを持ってくるのですが……ない!
 この『あそびにいくヨ!』シリーズは基本的には萌え小説なのですが、萌え台詞と思われるものがなかなか見つからない。1巻2巻は何とかごまかしてきましたが、3巻目にして頓挫です。もともと私(千秋)自身萌えというものがよくわかっていない人種なのですが、ここにきて本当にわからなくなりました。萌えって何?誰か教えてください。

 今回は『戦い』系の話はほとんど無く、騎央・エリス・アオイ・真奈美・アントニア・その他大勢での合宿の話。どんちゃん騒ぎっぽいおはなし。そしてアオイがとうとうエリスに宣戦布告して、騎央を巡る戦いは本格的に……なったか?

 う〜ん。たぶんです、私が望んでいる事と、作者がやりたいことが微妙にズレていると思います。

 私はどちらかと言うと、古き良き王道ラブコメで女の子の嬉し恥ずかし的なものを見たい、と思ってます。だいたいの方もそういうものを読みたいと思っているのではないでしょうか?

 だけれども作者は、「萌え」というものを突き詰めていった『先進的な萌えラブコメ』をやりたいと思っているのではないのでしょうか。

 例えば一番上の作品紹介のところにあるようなシーン(「大っ嫌いよあなたなんか……『愛人』になりましょう!」)を見てみると、もう全然かみ合ってないんですね。「大っ嫌いよあなたなんか……」と発言している女の子・アオイは、友達・真奈美から借りた「少女マンガ」を読んで、「男の子を取り合う宣戦布告をしたのなら、相手の女の子も『じゃあ、負けない』とか何とか言って恋の火花が散るはず」、と思っているんです。でも現実に戦線布告された方の女の子・エリスは「だったら、ふたりして騎央さんの『愛人』になりましょう!」と言っているわけです。全然かみ合ってませんね。

 前者のアオイは、私たち読者が知っている『王道ラブコメ』のノリなのに、後者のエリスは、作者がやりたがっている『先進的な萌えラブコメ』のノリでいる。ここら辺のすれ違い具合に違和感を感じる方がいる、と私は思います。だからこの作品を読もうと思うなら、『王道ラブコメ』を期待するのではなく、『先進的な萌えラブコメ』を味わうつもりで読んだ方が良いですね、ハイ。

 あと細かな考察を少し。
 私自身少々驚いたシーンがあって、それは主人公が学校の女の子に「オタ」って言われているところ。別に主人公は全然オタじゃないと思うのですが……(勘違い?)。さらに驚いたのはその女の子達は必ずしも「オタ」という言葉をネガティブな意味で使っているのではなく、「まあ、今の時代、オタぐらいは『個性』の範囲よ」(P.83)ということだそうです。そ、そうだったのか!これはかなり重要な発見ではないでしょうか?まあ作者自身の勝手な妄想かもしれないませんが……。

 あとはかなり新鮮な言葉を使っていると思います。たとえば「ツクリ」。なるほどね〜、ネコ被っている事をカタカナで「ツクリ」ですか。ふむふむ。そしてつぎに「オフ・スプリング」。そうだよな〜……。今頃の中・高校生って洋楽を聞いていたとしても、ロックじゃなくて、パンクの『SUM 41』とか『OffSpring』だよな……。
  どうですか?かなり新鮮な言葉ではないでしょうか。ここら辺は作者の優れた言語感覚がなせる技です。この鋭敏な言語感覚と「萌え」というものを突き詰めていった作品。それがこの『あそびにいくヨ!』シリーズなのだと思います。





『あそびにいくヨ!4 やめてとめてのうちゅうせん(4)』 神野オキナ (中下)
MF文庫J イラスト/放電映像
writer:千秋   bk1/→Amazon

オンライン書店bk1:あそびにいくヨ! 4 やめてとめてのうちゅうせん(MF文庫J)

 

 キャーティアシップが制御不能! 地球に墜ちてくる!? 地球防衛組織『バカルー・ハイペリオン!』を名乗る集団により、母艦とキャーティア大使館……つまり騎央の家が襲撃された!その結果、アオイと真奈美の防戦も空しく艦長クーネは意識不明に……。システムを乗っ取られた母艦の墜落による被害を防止するため、アメリカは核攻撃による母艦の撃破を宣言する。墜落を食い止めるためにはシステムを再起動するしかない。だが……再起動できるのは艦長クーネだけ。そして、エリスのシャトルも撃破され宇宙に上がる手段はない。この危機に一人残されたエリスはどう立ち向かうのか? 今回はシリアス編の大人気御礼第四弾!! 

「私の知り合いのコルシカマフィアの言葉ですが」
 千日手の盤を前にした新人チェスプレイヤーのように固まった騎央に、最後のオマケという感じで摩耶は言った。
「世の中には三つのやり方があるそうです。つまり、『正しいやり方、お前のやり方、そしてオレのやり方』…………中でも一番大事なのは『オレのやり方』だそうで」
「?」
 顔を上げた騎央に、優しく摩耶は微笑んだ。
「ですから、騎央様も騎央様のやり方を見つけになられたほうがいいと思います。世間が納得するよりも、自分が納得する方法を見つけなさいませ」
「…………それって、つまり二人とも引き受けろ、ってことですか?それとも…………」
「それをどう選ぶか、ということが『オレのやり方』を見つけることですよ…………それに、どのやり方を選んでも『世間』は文句つけます。常識的な応えでも、非常識な答えでも」
「…………」
「では、おやすみなさいませ」

 摩耶/騎央 (P.151)

 猫耳宇宙人・エリスの母船キャーティアシップが、犬型宇宙人のアシストロイドに乗っ取られ制御不能に陥る。そして制御不能の母船が向かう先は地球。そして、犬型宇宙人に裏から操られるアメリカが、母船を核で撃墜する事を決定する。母船の墜落を食い止めるため主人公・騎央とエリスたちは宇宙へ向かうことを決意する。

 猫型宇宙人と犬型宇宙人の『戦い』中心の話。でも今回は結構『戦い』の話がおもしろかった。でも作者が掲げた「ご近所でお話を終わらせる」という信条は守られているのか?まぁいいです。おもしろかったので。

 主人公・騎央のエリスとアオイとの関係も、少しだけ進展あり。だけどもなあ〜……これじゃあ一昔前のラブコメに一歩後退なんだが、いいのですか作者さん?まぁ一読者が気にする事ではありません。

 あと一言。アシスロイドの台詞が、かわいかったです。以上。(ぇ―