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○七姫物語 (中上) 作者/高野和 イラスト/尾谷おさむ 電撃文庫
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| 『七姫物語』シリーズ・レビュー 作者/高野和 (中上) 電撃文庫 イラスト/尾谷おさむ |
| writer:D-human |
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ある大陸の片隅。そこでは、主要都市が先王の隠し子と呼ばれる姫君を擁立し、国家統一を目指して割拠していた……。 |
| 『七姫物語 (1)』 作者/高野和 (中上) 電撃文庫 イラスト/尾谷おさむ |
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| writer:D-human →bk1/→Amazon | |
ある大陸の片隅。そこでは、七つの主要都市が先王の隠し子と呼ばれる姫君を擁立し、国家統一を目指して割拠した。 物語の始まり―――カラスミとトエ・テンの二人との出会い 「来るかい?」 「よっし、お前、お姫様やれ」 カラスミと二人が出会って三年。平和な時代は終わり、東和に不穏な空気が漂い始める……。 「カラ」 そして、カセンの街で出会った黒衣の女。まだ少女と呼べる年齢だろうに、随分と大人びた顔立ちに落ち着いた表情をする、不思議な女性。 「でも、空澄姫は七宮城を出てくるべきではないでしょうね」 ―――戦の幕が切って落とされた時、カラスミはどうするのか!? 高野氏のデビュー作にして、第9回電撃ゲーム小説大賞“金賞”受賞作。 『七宮物語』第一巻目のこの作品は、テン・フオウ、トルエ・タウ、カラスミ。人の出会いから始まり、それから三年後の、後に“七姫戦争”と呼ばれる動乱の始まりである”七宮 VS 四宮(+同盟関係の三宮) の戦い”が決着したところで終わりを迎えます。 何も知らない状態から、姫として生活するだけの知識を叩き込まれただけなので、
“姫”の意味、役割、義務など、まだよく分かってない状態の“カラスミ”。 前半部分は、“姫”としての日常と、“只の子供(ちょっと違いますが)”としての市井での生活が描かれており、後半からは、乱世に相応しく戦争が始まります。 |
| 『七姫物語 第二章 世界のかたち (2)』 作者/高野和 (中上) 電撃文庫 イラスト/尾谷おさむ |
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| writer:D-human →bk1/→Amazon | |
今ではない時代、ここではない場所。 冬が訪れ、各都市は春に向けて水面下で動き出す。特に、四宮と同盟関係にあった三宮―ナツメ―は、七宮―カセン―と戦う為に力を蓄えようとしていた……。 その頃七宮は、四宮―ツヅミ―との戦の事後処理を終え、カセンの年越し祭りの準備に取り掛かる。 四宮との戦の影響が残るなか、祭りを無事に終えることが出来るのだろうか……。 真実はいつも一つじゃない。
“カラカラ”として街に降りるカラスミに、衣装役さんが言う。人生の先輩として……七宮に暮らす者として……。 「お知りになりたいことに対して、背伸びをしすぎないことです。この世の行いのことは、ほとんど、小さな物事の積み重ねです。仮に、決定的な役割を果たしたのが、七宮の姫様や他の方々としても、どなたかが絶対に悪いわけでも正しいわけでもありません」
空澄姫として、自分はどう在りたいのか。どう在るべきなのか。 私は争いをしたくない。 祭りが始まり、トエがカラスミに言う。祭りを観てきたらどうかね、と。 観たい気もしたし、露店を歩きたいとも思ったけど、首を振る。 そして、カラスミは黒衣の少女“クロハ”との再会を果たす。彼女と別れた後、カラスミは…… 静かな雪が似合う人だけれど、あの人は立ち止まらない人だ。 ―――そして、また季節が巡る。
この作品、解説するより本文抜き出した方が分かりやすいと思うので、抜粋箇所増量中です。(著作権とか大丈夫かなぁ……)
一巻は“出会い”から始まりましたが、二巻は逆で、“別れ”から始まります。 舞台はカセンの雪祭り 今回の大部分は、カラスミは“空澄姫”としてではなく、お忍びモードのお側付き見習い“カラカラ”として動きます。 一作目は良くても、二作目では微妙……って作品が結構ありますからねぇ。一作目のクオリティーを保つ、もしくはさらに良いモノにするっていうのは難しいことでしょう。まだ二作のみとはいえ、それを完遂した高野氏は凄い御方です。 ―――できればもう少し刊行ペースを上げていただければ言うことは無いのですが……。まぁクオリティー下げるよりは何倍もマシなので、のんびり待たせていただきます。……しかし、この刊行ペースのままだと完結するのに何十年掛かるんだ……。 |